Mujinは、知能ロボットとAGVを連携させ、多品種コンテナ・段ボール(以下「ケース」と総称)の搬送・積み下ろし・積み付け/棚入れを、最適なタイミングで実行する「多品種ケースハンドリングシステム」を開発し、「第52回 日本産業技術大賞」審査委員会特別賞を受賞いたしました。
工場や倉庫において、リアルタイム動作生成により多品種ケースの移載を行う知能ロボットと、搬送を担う複数台のAGVを統合制御することで、初めて実現したシステムです。
ロボット知能化ソフトウェアで実現した多品種ケースハンドリングシステム
人手不足が深刻化する中、物流・製造現場で多く存在するサイズ・形状・蓋の有無が異なる多品種ケースハンドリングは自動化が難しく、人手に頼らざるを得ない状況でした。
通常産業用ロボットを稼働させるには、カメラや周辺機器との連携、および、ロボットの一挙手一投足を設定するプログラミング作業を要するため、多品種を扱うケースハンドリングは、高難易度の複雑な周辺機器連携と条件ごとの細かな動作設定が必要だからです。
本課題を解決するため、独自のロボット知能化ソフトウェアを活用して開発したのが「多品種ケースハンドリングシステム」です。本システムの特徴は、以下のとおりです。
1 )多品種ケースハンドリング知能ロボット
根幹となっているのが、多品種ケースハンドリングを実行する知能ロボットです。
高精度な3Dビジョンによってケースの形状・位置・姿勢や周辺環境をリアルタイムに認識し、ロボット知能化ソフトウェアによって環境やロボットの可動域等の制約を踏まえた最適動作計算を行い、ロボットを直接制御することで実現する、臨機応変に対応が可能なロボットシステムです。
多種多様なケースに対しても、最適なロボット動作を実現し、積み下ろし・積み付け/棚入れを実行することができます。積み付け時には、積載効率、後工程における取り出し順序を考慮した、最適な荷姿を計算した上で実行します。
2)知能ロボットとAGVの一括制御
本システムのもう一つの特徴が、知能ロボットとAGVのロボット知能化ソフトウェアによる一括制御です。
工程間搬送を担うAGV数台から数十台の群制御に加えて、知能ロボットと一括で制御することで、前後工程の進捗状況を把握しながら、最適なタイミングでの知能ロボットとAGVの連携稼働を実現します。
システム全体の制御を一社で担うからこそ、全体レイアウトの最適化やスムースな機器連携に繋がり、能力向上に貢献しています。また、ソフトウェアを通してシステム全体の稼働状況を遠隔でも確認できるため、予期せぬ事象発生時にも、即座に状況を把握し、迅速な対応が可能な体制を構築しています。
ロボット知能化ソフトウェアによって実現した本システムは、人手不足を補い、事業継続と産業発展に貢献するだけでなく、重量物の運搬作業を自動化することで、作業者の方にとって働きやすい環境整備も実現します。
また、臨機応変な知能ロボットと、レイアウト変更が容易なAGVを用いることで、工程変更が頻繁に発生する環境においても機器を都度廃棄することなく継続利用が可能なため、環境保全にも貢献します。
本システムを基に新たな機能開発にも取り組み続けることで、課題解決に幅広く貢献できるよう、今後もMujin一同邁進してまいります。
【日本産業技術大賞 概要】
日本産業技術大賞は、株式会社 日刊工業新聞社様が主催されており、2022年1月1日から12月31日に完成した技術成果、または成果をあげた技術のうち以下に該当するものを対象とし、表彰する賞です。
1)産業の発展に貢献度の高い大型産業設備、構造物の開発
2)独創的、画期的で産業・社会に変革をもたらしたソフトウェア、システム、技術の開発
3)地球環境保全に大きな効果を発揮した設備の開発
※日刊工業新聞社様による本賞の募集要項より抜粋
https://corp.nikkan.co.jp/p/honoring/nihonsangyogijyutsutaishou
【会社概要】
会社名:株式会社Mujin(Mujin, Inc.)
設立:2011年7月
CEO 兼 共同創業者:滝野一征
ウェブサイト:https://www.mujin.co.jp/
Mujinは、ロボット知能化技術「MujinMI(Machine Intelligence)」をもとに、産業用知能ロボットコントローラ・コンポーネントの開発・販売、知能ロボットソリューションの提供を行っている会社です。
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社Mujin 広報 石原・吉田
TEL:03-4577-7596
E-mail:media@mujin.co.jp
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