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導入後インタビュー#05   株式会社坂塲商店様

マスターレス & ティーチレスで
荷下ろし作業を完全自動化

詳細を知る

ロボット導入までの概要


一般家庭用品(消耗品・家庭紙・家庭雑貨)や業務用品を取り扱う卸総合商社として、茨城県水戸市を中心に地域経済を支える株式会社坂塲商店様。トランスファーセンター(TC:通過型物流センター)とディストリビューションセンター(DC:在庫型物流センター)の両機能を有する同社の物流センターにおいては、自動仕分け機(リムソーター)の導入をはじめとした、自動化・効率化が進められています。2019年には、パレット上に不規則に積まれたケース(段ボール)を自動でコンベヤに投入する、Mujinの物流自動化ソリューションの導入されました。「商品の事前登録無し(マスターレス)」「ロボットの動作ティーチング無し(ティーチレス)」という、導入・運用のオペレーションコストを大きく削減したロボットシステムが、出荷工程の一旦を担っています。

エンドユーザー
エンドユーザー

株式会社坂塲商店様

マテハンメーカー

オークラ輸送機株式会社様

ロボットコントローラ
ロボットコントローラ

Mujinコントローラ

ロボットアプリケーション
アプリケーション

デパレタイズ

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01. 課題

複数SKUの混載パレット・重量物のハンドリング
運用オペレーションの削減

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従来、自動化が難しいとされていた複数SKUの混載状態
※「SKU」:物流業界で使用される商品の最小管理単位
“過酷な労働環境を改善したい、という問題意識は以前からありました”

“不規則な対象・状況”というものは、自動化の障害となり、その実現のために段取り用の特別な機構やオペレーションが求められることは少なくありません。株式会社坂塲商店においても過酷な労働環境を解消すべく、自動化の検討が進められていたそうですが、「パレット上に積まれた複数品種のケース(段ボール)の荷下ろし」という、まさに不規則性が伴う作業の自動化に光明を見いだせなかったそうです。同社の常務取締役である坂場 光治 様(以下:坂場様)にお話を伺いました。


坂場様:
弊社の物流センターでは、毎日一万ケース(段ボール)近い商品を、パレット上から仕分け機に繋がるコンベヤに投入する作業が必ずあり、これまでは全て手作業で行っていました。積荷に高さがあったり、中には重い商品もあり、対応できる人員が限られてしまうので、作業員にとっては過酷な労働環境になってしまっているという問題意識は以前から抱えていました。

問題を解決するべく作業負荷を軽減するバランサー・リフターのような機器も検討していましたが、現場で日常的に使いやすいものである確信が持てずに、採用には至りませんでした。

そんな中、2016年頃から展示会で物流自動化用のロボットがあるなと気づいていたのですが、各社を見て回ってもプログラミングベース(ティーチングベース)でパターン化された状況から降ろすことはできるが、ランダムで積まれている場合は不可能というところばかりで、半分諦めていたというか、不規則な状況で自動化できる装置は、まだ開発されていないんだなと考えていました。

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02. 解決

商品の事前登録無し・ロボットティーチング無し
Mujinソリューションが課題を解決

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“内容・費用・能力を聞いて「あ、もうこれはできるな」と、その場でほぼ導入を決めました”

Mujinのデパレタイズソリューションは、自動化を阻害していた“不規則性”を乗り越えるために開発されました。例外はありますが、複数種類のケース(段ボール)が不規則に積まれていても、パレットをロボットの元へ搬送すれば、あとはロボットが自動で荷下ろしを実行します。これまでの日常業務と同様に、所定の位置に出荷分の商品が積まれたパレットを配置する以外に特別なオペレーションは不要です。商品情報の事前登録やロボットティーチングを不要とし、ロボットの導入・運用に付随するオペレーションの負荷を最小化することは、Mujinが最も重きを置く点です。


坂場様:
Mujinを知ったきっかけは、製造系の設備設計をしている親族が「展示会でいい会社を見つけたよ」と教えてくれたことでした。その翌日に自身でMujinのブースを訪問して、エンジニアの方に相談した結果、理想のものを見つけたと感じました。率直に「あ、もうこれはできるな」という印象でしたね。費用についても概算を伺って、想定できる荷下ろし能力と照らし合わせた上で妥当と判断し、その場で8割方意志は決めていました。あまり迷いはなかったですね。

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結果として、打ち合わせを経て導入を決めてから短期間で仕上がりましたし、ロボットの能力としても当初想定していた数値をクリアしていて十分だと感じています。弊社の環境・状況に合わせて最適化を重ねて最終形に仕上げていただきましたが、同じ形状のケースが単載されている場合の荷下ろしではもちろん、様々な形状のケースが混載されていても遜色なく動作しており、設置初期から比べても大きく進化したなと感じています。

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シンプルにまとめられた本プロジェクトの機器構成概要
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03. 運用

ロボット専任者は不要の簡単運用
タイムリーな遠隔サポート

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パレットコンベヤに積荷を配置すればロボットが自動で荷下ろしを実行
ロボット導入前とオペレーションの負荷は変わらない
“社員がいつの間にか運用のコツを学習している実感がある”

導入後のオペレーションの負荷を最小限に抑えることも、人手不足に直面している物流業界において重要なポイントとなります。トラブル時の対応も含め、ロボット稼働後の運用状況およびMujinのサポート体制についてもお話を伺いました。


坂場様:
トラブルで止まった際どのように対処すべきか、というオペレーションは整える必要がありましたが、難しい操作はないので社員間で適宜対応できるように調整して運用しています。常に二人くらいはロボットの対応ができるようにしています。

一方、Mujinのサポートは導入後も十分だと感じています。トラブルがあった場合にも電話のやり取りでタイムリーに対応してもらっていますし、原因を遠隔で確認していただいた上で、必要な操作を行い復旧しているので問題はありません。

自動化・効率化というのは設備・装置だけの問題ではないと考えています。使う側の人間が、物流センター内のフローや人員を鑑みて使いこなせるかどうかというのも物流を担う会社の能力だと思います。今ロボットを使わせていただいても、使う側が運用方法を研究しつづけるべきだということです。その点からすると、弊社の場合は社員がいつの間にか使い方のノウハウというか、運用のコツを学習している良い状況なのかなと思います。

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04. ロボットに対する今後の期待

ストレージタイプのロボットと組み合わせて複雑な作業も担わせたい

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株式会社坂塲商店 坂場 光治 様
“人手ではなく自動化が大前提の設備を計画する段階が来た”

本プロジェクトによりロボットの導入による自動化・省人化にも踏み出した同社。物流の前線に立つ企業として、物流工程の自動化についてどのようなビジョンを描いているのでしょうか。マテハンによる従来の自動化手法に加え、Mujinのソリューションも含まれる「自律的に動作するロボット」というものが、業界でもキーワードとして持ち上がっているようです。


今回のプロジェクトには、周りがやっていないからまず初めに手掛けるということも大事でしたが、そもそも自動化を軌道に乗せるまでには時間が必要だと考えており、場合によっては3、4年かかっても不思議ではない。周りがやりだしてから同様の自動化に手を出すと、全体を最適化するまでには遅れをとることになります。自社の状況を鑑みながら、先々ではどこよりも早く形にすることを想定してロボットの導入に踏み切りました。

これまでの発想というのは、人がやっていることを設備によって効率化・最速化するという考えだったわけですが、今後は無人化を前提とした発想に、物流業界および関連企業の意識が転換している時期だと感じてますし、実際そうなっていくと見越しています。その中でロボットが人の代わりに複雑な作業も担ってくれればと期待をしているところです。

そういった意味ではMujinのソリューションでは、ケースを積む方の「ケースパレタイズ」、ピース仕分けを自動化する「無人仕分けシステム(ピースピッキング)」も気になっています。自動倉庫と組み合わせれば、夜間にオンラインで受注した分を自動で仕分けすることもできます。朝、作業員が出社したら梱包だけして出荷するということも可能ですよね。新たに物流センターを開設する際には、今回のロボット導入の経験も踏まえて、自動化が大前提の設備というものを計画していきたいと考えています。

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物流センターにおける実際のロボットの動作を動画で見る