“過酷な労働環境を改善したい、という問題意識は以前からありました”
“不規則な対象・状況”というものは、自動化の障害となり、その実現のために段取り用の特別な機構やオペレーションが求められることは少なくありません。株式会社坂塲商店においても過酷な労働環境を解消すべく、自動化の検討が進められていたそうですが、「パレット上に積まれた複数品種のケース(段ボール)の荷下ろし」という、まさに不規則性が伴う作業の自動化に光明を見いだせなかったそうです。同社の常務取締役である坂場 光治 様(以下:坂場様)にお話を伺いました。
坂場様:
弊社の物流センターでは、毎日一万ケース(段ボール)近い商品を、パレット上から仕分け機に繋がるコンベヤに投入する作業が必ずあり、これまでは全て手作業で行っていました。積荷に高さがあったり、中には重い商品もあり、対応できる人員が限られてしまうので、作業員にとっては過酷な労働環境になってしまっているという問題意識は以前から抱えていました。
問題を解決するべく作業負荷を軽減するバランサー・リフターのような機器も検討していましたが、現場で日常的に使いやすいものである確信が持てずに、採用には至りませんでした。
そんな中、2016年頃から展示会で物流自動化用のロボットがあるなと気づいていたのですが、各社を見て回ってもプログラミングベース(ティーチングベース)でパターン化された状況から降ろすことはできるが、ランダムで積まれている場合は不可能というところばかりで、半分諦めていたというか、不規則な状況で自動化できる装置は、まだ開発されていないんだなと考えていました。