“少子高齢化による労働力不足は顕著。人が関わる必要がある作業を絞っていかなければならない。 (宮本様)”
住宅建材生産の工業化が進み、建築現場に代わってプレカット工場が担う役割が大きくなった結果、木材の加工機への投入や切り出された建材の積み付けおよび梱包の負担が大きくなったと言われています。今回ロボットをプレカット工場で稼働させた宮本工業様とトーアエンジニアリング様に、生産現場における課題を伺いました。
株式会社宮本工業 代表取締役社長
宮本 哲治
様 (以下、宮本様):
建築業界全般に言えることですが、プレカット業界でも少子高齢化による労働力不足というのは顕著です。 現在でも難しい従業員の雇用がより困難になるのは必然と言えます。
肝心なのは5年後、10年後のことを考えていく中で、 働き方改革の推進など今後も労働環境や状況が著しく変化していくだろうことを考えると、 現在3つの事業所で雇用している人的規模をそのまま保つ努力をするのではなく、 人が関わる必要がある作業を絞っていかなければなりません。
現在弊社の従業員の平均年齢は40代後半ぐらいと高めになっていまして、 現在中心となっている世代が引退する時期を考えてみると、 さらに雇用が困難になる中で「3人引退したから3人雇用する」のではなく、 それに耐えられる事業体制を作っていくべきだと考えています。
株式会社トーアエンジニアリング 代表取締役社長
野口 睦
様 (以下、野口様):
私からは工場の設備納入側から見た視点ということになるのですが、 このプレカットという業界は家を建てることに関わる非常に意義のある仕事なのですが重労働とも言える作業を伴います。 木材ですから重たい資材も持ちますし、働く方からすると年齢が上がるとやっていけるのかどうかと考えてしまうような。
これまであまりにも搬送や梱包の工程を人の労働力に頼ってきた部分が大きいものですから、 加工工程だけではなくそちらの負荷も軽減しなければと、設備やシステムを作る側の考えとして持っていました。
解決策のひとつとして徐々に取り組み始めていたものの、ロボットみたいなものはまだまだSF的な捉え方をしていたわけですが、 その中でも将来に向けて一歩を踏み出す必要がありました。